『アウトプット大全』と自分のアウトプット
要約
- アウトプット大全を読んだ
- 言語化って大事だよね
- 人と話すこともアウトプット
- 日記を書くのはいいかもしれない
- 技術をアウトプットする難しさを超えてゆけ
why I read it ?
「アウトプット大全」を読んだ。
結構amazonでも本屋でもよく見る本だった気がする。
内容としては、
- アウトプットの重要性
- 「話す」アウトプット
- 「書く」アウトプット
- 「行動する」アウトプット
という感じで、それぞれの項目を短くまとめてあるので、さらっと見出しだけ読み流してみるのがおすすめ。
興味あるものは少し立ち止まって細かく読むのもよし。
アウトプットは重要か?
そもそもこの本を手に取ったのは、自分のアウトプットをもう少し改善したかったに他ならず、具体的には「全然アウトプットできてないよね」という理由からであった。
エンジニアという職業上、アウトプットの重要性というのは特に誰も異論を唱えない。
ただやはりそれは転職とかの局面において「役に立つ」面が一般では強調されているように思う。
その先入観をもって、改めて本著において「アウトプットの意味」を考えると、それは「言語化」ではないだろうか。
- 記憶への定着
- 思考の整理
- 自己の客観化
- 具象化
となる。
記憶への定着はいわずもがな感があるが、
実際に自分でもホワイトボードにER図書いてたり、人と設計とか実装について話し合っているときは本当に頭がよく回っている感覚がある。 これは具象化や思考の整理にあたる。
また、いざ文章にして自分の思考を吐き出させて眺めていると、「こいつ天才だな」とか「何言ってるのか意味わかんないな」とか思ったりする。これは客観化で、決して人にフィードバックしてもらわなくても、自分で自分に効率よくフィードバックできる。
結局、「アウトプット ≒ 言語化」であり、「言語化役に立つよ!」ということ。
エンジニアって特に言語化大事だしね。
「伝える」アウトプット
先ほど自分のアウトプット不足を述べたが、「伝える」こともアウトプットとすれば、割とできていることもあった。
そこはこの本を読んで少し救われた部分である。(自己肯定感ちょいマシ)
とはいえ、今は対等な立場のコミュニケーションにおいてなので、部下の育成や折衝、プレゼン系はもう少し意識せねば。
ただこの部分は「伝えることもアウトプットなんだね」くらいの印象で、細かい部分は結構読み飛ばした。
また、課題感を抱えたら読み直そうと思う。
日記を書く
この本でも「書く」アウトプットには結構なページ数を割いていて、「書き出す」「目標を書く」「気づきをメモする」みたいにいろいろおすすめが書いてあるのだが、全部ひっくるめて、日記という形で定期アウトプットを設けるのはありかもしれない。(脳内dump)
これは自慢なのだが、最近ずっと日記を続けれていて、なんともう1週間にもなる。()
恥ずかしいので絶対人には見せないが、内容としてはKPTとかやったこと・明日のtodoとか雑記をテンプレ化している。
アウトプットになれる目的で始めて、まだ効果らしい効果はないが、1日の終わりに必ずフィードバックできるのがいい。
良さげな1日にあえてツッコミをいれたり、あんまりよくなかった1日をあえてポジティブに捉えてみたり。
もうちょっと項目は改善し続けていきたいが、ひとまずアウトプットなれであったり、言語化の訓練としてはいい。
技術をアウトプットする
とはいえここまで完全なる自己啓発なのであるが、自分が一番やりたいことはエンジニアとしての成長である。
そこに関連して、技術のアウトプットであるが、実際ここはまだうまく着手できていないし、なんの成果もない。
言い訳は以下。
個人開発は時間がかかる
これは本当にそうで、本業と別に個人開発をちゃんとできている人は心底尊敬している。なんなら弟子入りしたい。
ただできることをやっても仕方ないし、ある程度チャレンジングなことをしようとすると挫折してしまう。
解決策としては当面
- 何をするか、どうやるか言語化する
- デプロイは細かくしつづける
というアウトプット的解決を試みる。
技術記事は既存記事の再生産やまとめにしかならないのでは
これはずっと思っていたことで、実装上の課題とかは調べて解決することが多い。
もちろん単一の記事でそのまま解決するわけではなく、いろいろ調べながら、問題の解像度を高めながら、解決するのだが、それを馬鹿正直に記事にするとまとめ記事にしかならなさそうである。
そこが自分のもやもやであった。
しかし、この本を読んだり、自分でぼちぼち考える中で以下のように考えて乗り越えることにした。
- 自分のために書く(備忘録的な)
- 自分の考えの比率を増やす
- 量から質への転化
ここを乗り越えないとエンジニアとしての自分は死ぬわけなので、技術をアウトプットできるようにしたい。
GRIT~やり抜く力~ を読んで
どんな記事か
- 少し冗長な部分もあるが、「やり抜く力」を理論的に説明した本
- 今からでも自分もなにかやり抜きたいな
- どう育成に反映させていくか
- 読書をやり抜くことに対する仮説
本の紹介
以下の本を読みました。
ちょいと色々悩む、というか考えることがあって、本屋をふらついていたときに見つけて、購入。
結構前に流行っていた気がして、ジャケットは見たことがあったのですが、初めて読みました。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者:アンジェラ・ダックワース,神崎 朗子
- 発売日: 2019/09/06
- メディア: Audible版
大体の内容としては、
- 「才能」だけでなく「努力」が必要
- 「やり抜く力」の内的要因はなにか、どのようなマインドセットが必要か
- 主に子育ての文脈から、「やり抜く力」を外からどう育てていくか
という感じです。
よくある精神論な感じで、「まあそりゃあやり抜く力はあったほうがよいよね」みたいに斜に構えて自分は読んでなかったのですが、実際に読んでみると、研究に基づいての説明なので説得力はありました。
ただ、まあ冗長な感は否めないです。(早く結論を言え、とは何回も思った。)冗長パートが来たら流し読むのが吉。
とまあ、多少悪態はつきながらも、全体としては今まで大事ではありそうだと感じてきたもの(= やり抜く力)を上手く言語化してくれていたので、自分自身にとって非常に学びがありました。
ので、以下でその部分を記録しておきます。
自分の「やり抜く力」
自分には「やり抜く力」があるのだろうか。
これを考えると少し微妙な気はします。
バスケットボールを小学校から高校までずっと引退までちゃんと続けた経験はあるし、高校受験・大学受験も人並みに経験して、どれも途中で投げ出しはしなかったので、きっとやり抜いたこと自体は「ある」と自信を持って言えます。
ただ、バスケはずっと控えだったし、大学受験は浪人の末、第一志望に失敗しています。(高校受験は失敗していないけど、そもそもそこまで厳しいものではなかった)
そう、特にやり抜いて成功した体験がないのです。
実際そこが自分のコンプレックスである部分は否めなくて、ずっと、極めて恵まれた凡人の人生を歩んでいる自覚はありました。 読み進める中で、自分には以下2つは特に意識が欠けていたなあ、と感じました。
- 意図的な練習
- 他者を目的にする
後者はまあそのまんまですが、前者はどういうことか。
要は漫然と練習するな、ということです。
ここに関しては結構心に刺さる部分があって、それは10年ほど続けて、結局上手くなれなかったバスケです。
いまだにすごく反省している部分があって、もっと上手くなれたんじゃないかと後悔しまくっているのですが、それはおそらくこの「意図的な練習」の欠如だなあ、と。
実際に、漫然と・全力で、練習をこなすことが目的になっていました。
だから真面目だが上手くない奴、という立ち位置だったと思います。
正直「嫌われない」点では満点ですが、そりゃあ上手くならないよね。
今はもうスポーツではなくて仕事ですが、いろいろ意識してやり抜きたいです。(雑) というかここで踏ん張れなかったら今後も一生恵まれた凡人であるという、悲壮な決意。
どう育成に反映させていくか
「やり抜く」ことは自分自身のテーマでもあるのですが、最近は後進を育成する可能性もあり、その観点からも読みました。
エンジニア採用のオンライン勉強会を聞いていたなかで、とある会社さんが採用条件として「やり抜く力」を大事にしていると。
他の職種もそうだとは思うのですが、確かにエンジニアは大事だよなあ。
そこまで大きなスコープでなくても、一つのプルリク出すまですごく大変なことだってありますし。
そうやって、チームカルチャーとして「やり抜く力」を求めること自体は必須に近いと考えているのですが、そうする場合
- やり抜ける人だけ採用する
- 後からやり抜く力をつけてもらう
の2パターンに見えるのですが、結局上手くスクリーニングできない場合もあるし、後天的にその能力を伸ばすことも必要なので、両方やるしかないですね。
となると実際にどうやってその能力を育てるのか。 それは大きくは以下の二つ
- メンター自身が、チームが、やり抜くことを体現する
- しっかりサポートしつつも、負荷を与える
が重要かな、と。
前者は基本的に環境に引っ張られる人間の性質を利用して、後者は極めて難しいコントロールではあるのですが、逃げ出させないこと、もう一度チャレンジしてみさせることを意識したいです。
とはいえ、ご立派に書きながらも、自分ができていなかったらアホくさいので結局は自分がやるしかないのか。
頑張る。
余談)本を通読することに対する仮説
そもそも自分が今回一番感動しているのは、この本をわずか1週間の隙間時間のみを使って通読できたことです。
普段ちゃんと読書できる人からしたら、「は?」っていう話かもしれないのですが、自分は本当に本を読んでいても途中で飽きてしまって、積み上げる読書が増えていくタイプの人間です。
そしてさらに読書に対する苦手意識が高まっていく。
そんな中でなぜ今回読めちゃったのか、仮説がこちらです。
- 目的意識を持って読む
- 毎日固定で読む時間をつくる
- 必要ない部分は潔く読み飛ばす
一番最初が一番大事な気がして、自己啓発やビジネス本でも、技術書でも同じだと思いますが、そもそも微塵も興味のないものは今は読むべきときではないのかな、と。その上で、「何を学びたいか」を明確に意識せねば。
ただし、この考えだと、小説みたいなのは読めない気がします。事実、私はまだ小説は読める気がしないです。
固定で読む時間をつくる、というのが人によっては難しいかもなのですが、自分は電車です。これは本当に人それぞれですが、最低限10分程度でも続けて、コンテクストスイッチの切り替えをしやすくするのが大事かなと思います。
必要ない部分は潔く読み飛ばす。実用書を読んでるとき、完璧に一言一句逃さないのは本当によくないです。完璧主義者は注意。この本もそうでしたが、実例が長々としていて、馬鹿正直に読んでいるとただ飽きる。
目的意識と関連するのですが、自分が読み取りたい本質だけ読み取ったら「はい、OK。次」という意識が大事です。細かく読みたかったら、またあとで必要なときに読み返せば良いと思います。
偉そうに書きましたが、所詮まだ仮説にすぎないので、も少し実践して、本をしっかり読める人間になりたいです。 そしてゆくゆくは読書術で一発当てようかな。(遠い目)
暗号技術入門、完全に理解した
要約
- 「暗号技術入門」は難しいがとても為になった(PR)
- 結局セキュリティは人次第
- 自分の視野を広げることとスキルを伸ばして行くことは相入れないかもしれない
本の紹介
大体買ってから2ヶ月くらいかけてちょっとずつ、以下の本を読みました。(活字苦手 && 集中力皆無…)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本
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概要としては暗号技術の歴史的経緯から、現在世界で使われている暗号技術に関して、具体的なユースケースに沿って、紹介して行くという流れです。
タイトル通り、入門的に「広く・浅く」的な本でした。
ただし、凄まじくアカデミックな議論が積み重なった暗号技術の世界からみたら「広く・浅く」というだけで、決して「簡単」という意味ではないです。 少なくとも、私文出身で、CS(?)的なバックグラウンドがない自分の視点では。
とはいえ、
- 共通鍵
- 公開鍵
- ハッシュ関数
- デジタル署名
- 証明書
等々の技術に関して基本的な部分を把握するという意味では本当にわかりやすくて素晴らしい本でした。
必要な知識(?)というとそこまでないとは思いますが、其々の技術の利用シーンとかが多少イメージできていたり、用語を聞いたことがあるとすんなり頭に入って来やすいです。
また、数学に関しては、高校数学までの、特に整数周りがわかれば(素数とかそこらへん)問題ない気がします。
なぜ読もうと思ったか
先述したように、自分は私立文系大学の出身で、現在は小さい会社でwebエンジニアをしています。
普段はwebアプリケーションの開発をしていますが、やはり、自分が使っている技術を体系的に勉強したことがないコンプレックスはかなりのものです。
そんなこともあって基本情報技術者試験をとりあえず受けてみることにしました。(ここら辺の話はまた別途書きたい)
その過程で暗号技術全般に興味を持ち、netflixで「イミテーション・ゲーム」を見て、極め付けにtwitterで何処か会社さん(忘れてしまいました…)の新卒教材にこの本があるのを発見して、運命を感じてamazonでポチりました。
感想と印象に残った点
本全体のまとめに関しては、僕がまとめるより、さらっとでも原著を読んでみたほうがよいとおもうのでそちらをオススメします。一気に全部読まなくても、1章を読むだけでも十分価値はあります。
それぞれの技術の詳細に関してははっきり言って、ややこしいし難しい部分は多いです。
なので一度目は自分の脳内にインデックスをはるくらいの心持ちで読むのがよいかもしれない。(初めは完璧に理解しようとして時間がかかったので反省)
それでも非常にわかりやすいですが、自分が普段していることの意味、裏で自分を守ってくれているものの仕組みについて、本当にわかりやすく知れて、大変為になりました。
その中でも印象に残ったのは、第15章における、セキュリティにおいて「人間が特に大きな弱点」であるという点でした。
これは本当にそうで、すごく堅牢なセキュリティシステムがあっても、人間の設定ミスやパスワードそのものの脆弱性によって、もしくはすでに脆弱性が明らかになった技術を使い続けることによって、攻撃をうけることが、全ての防御を無に帰することになるからです。
暗号技術やセキュリティという分野の重要さはもちろん理解しているつもりでしたが、結局は技術を使う側の自分たちにリテラシーとそれに基づく行動が求められているのですね…
多分自分の成長のためにはならない
この本を通読して、先述したようにめちゃくちゃ学びはありました。自分の知らないことを知れた快感や曖昧に見えていた部分が明瞭になって行く感覚は学びそのものです。
ただ、わかりやすいスキルとしての成長という意味だと実際どうなんだろうと思う部分はあります。
いま「暗号技術が面白い!」と思っても自分が面白いと思ったコアな技術の部分を生業にしていくことはおそらく不可能でしょう。その分野はもうすでに高度にアカデミックな世界なので。(もちろん全く役に立たないというわけではないです)
結局この先技術そのものを学んで行く、ということは即効性のあるものだとは決して思ってはいけないのでしょう。
仕事や転職に役立つ・年収あげたい、みたいな目的ならば、reactやvueだったり、Goやったり、新しいrailsの機能を試したほうがよいのかもしれない。
それでもまあ好奇心があれば、面白いと思えれば、それはしっかり自分の気持ちに素直に学んでいきたいです。ラッキーが起きれば、将来少しは自分の人生に役立つかもしれないし。それくらいの気持ちで。
学ぶことに知識以外のリターンを求めるべきではないですね。