GRIT~やり抜く力~ を読んで
どんな記事か
- 少し冗長な部分もあるが、「やり抜く力」を理論的に説明した本
- 今からでも自分もなにかやり抜きたいな
- どう育成に反映させていくか
- 読書をやり抜くことに対する仮説
本の紹介
以下の本を読みました。
ちょいと色々悩む、というか考えることがあって、本屋をふらついていたときに見つけて、購入。
結構前に流行っていた気がして、ジャケットは見たことがあったのですが、初めて読みました。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者:アンジェラ・ダックワース,神崎 朗子
- 発売日: 2019/09/06
- メディア: Audible版
大体の内容としては、
- 「才能」だけでなく「努力」が必要
- 「やり抜く力」の内的要因はなにか、どのようなマインドセットが必要か
- 主に子育ての文脈から、「やり抜く力」を外からどう育てていくか
という感じです。
よくある精神論な感じで、「まあそりゃあやり抜く力はあったほうがよいよね」みたいに斜に構えて自分は読んでなかったのですが、実際に読んでみると、研究に基づいての説明なので説得力はありました。
ただ、まあ冗長な感は否めないです。(早く結論を言え、とは何回も思った。)冗長パートが来たら流し読むのが吉。
とまあ、多少悪態はつきながらも、全体としては今まで大事ではありそうだと感じてきたもの(= やり抜く力)を上手く言語化してくれていたので、自分自身にとって非常に学びがありました。
ので、以下でその部分を記録しておきます。
自分の「やり抜く力」
自分には「やり抜く力」があるのだろうか。
これを考えると少し微妙な気はします。
バスケットボールを小学校から高校までずっと引退までちゃんと続けた経験はあるし、高校受験・大学受験も人並みに経験して、どれも途中で投げ出しはしなかったので、きっとやり抜いたこと自体は「ある」と自信を持って言えます。
ただ、バスケはずっと控えだったし、大学受験は浪人の末、第一志望に失敗しています。(高校受験は失敗していないけど、そもそもそこまで厳しいものではなかった)
そう、特にやり抜いて成功した体験がないのです。
実際そこが自分のコンプレックスである部分は否めなくて、ずっと、極めて恵まれた凡人の人生を歩んでいる自覚はありました。 読み進める中で、自分には以下2つは特に意識が欠けていたなあ、と感じました。
- 意図的な練習
- 他者を目的にする
後者はまあそのまんまですが、前者はどういうことか。
要は漫然と練習するな、ということです。
ここに関しては結構心に刺さる部分があって、それは10年ほど続けて、結局上手くなれなかったバスケです。
いまだにすごく反省している部分があって、もっと上手くなれたんじゃないかと後悔しまくっているのですが、それはおそらくこの「意図的な練習」の欠如だなあ、と。
実際に、漫然と・全力で、練習をこなすことが目的になっていました。
だから真面目だが上手くない奴、という立ち位置だったと思います。
正直「嫌われない」点では満点ですが、そりゃあ上手くならないよね。
今はもうスポーツではなくて仕事ですが、いろいろ意識してやり抜きたいです。(雑) というかここで踏ん張れなかったら今後も一生恵まれた凡人であるという、悲壮な決意。
どう育成に反映させていくか
「やり抜く」ことは自分自身のテーマでもあるのですが、最近は後進を育成する可能性もあり、その観点からも読みました。
エンジニア採用のオンライン勉強会を聞いていたなかで、とある会社さんが採用条件として「やり抜く力」を大事にしていると。
他の職種もそうだとは思うのですが、確かにエンジニアは大事だよなあ。
そこまで大きなスコープでなくても、一つのプルリク出すまですごく大変なことだってありますし。
そうやって、チームカルチャーとして「やり抜く力」を求めること自体は必須に近いと考えているのですが、そうする場合
- やり抜ける人だけ採用する
- 後からやり抜く力をつけてもらう
の2パターンに見えるのですが、結局上手くスクリーニングできない場合もあるし、後天的にその能力を伸ばすことも必要なので、両方やるしかないですね。
となると実際にどうやってその能力を育てるのか。 それは大きくは以下の二つ
- メンター自身が、チームが、やり抜くことを体現する
- しっかりサポートしつつも、負荷を与える
が重要かな、と。
前者は基本的に環境に引っ張られる人間の性質を利用して、後者は極めて難しいコントロールではあるのですが、逃げ出させないこと、もう一度チャレンジしてみさせることを意識したいです。
とはいえ、ご立派に書きながらも、自分ができていなかったらアホくさいので結局は自分がやるしかないのか。
頑張る。
余談)本を通読することに対する仮説
そもそも自分が今回一番感動しているのは、この本をわずか1週間の隙間時間のみを使って通読できたことです。
普段ちゃんと読書できる人からしたら、「は?」っていう話かもしれないのですが、自分は本当に本を読んでいても途中で飽きてしまって、積み上げる読書が増えていくタイプの人間です。
そしてさらに読書に対する苦手意識が高まっていく。
そんな中でなぜ今回読めちゃったのか、仮説がこちらです。
- 目的意識を持って読む
- 毎日固定で読む時間をつくる
- 必要ない部分は潔く読み飛ばす
一番最初が一番大事な気がして、自己啓発やビジネス本でも、技術書でも同じだと思いますが、そもそも微塵も興味のないものは今は読むべきときではないのかな、と。その上で、「何を学びたいか」を明確に意識せねば。
ただし、この考えだと、小説みたいなのは読めない気がします。事実、私はまだ小説は読める気がしないです。
固定で読む時間をつくる、というのが人によっては難しいかもなのですが、自分は電車です。これは本当に人それぞれですが、最低限10分程度でも続けて、コンテクストスイッチの切り替えをしやすくするのが大事かなと思います。
必要ない部分は潔く読み飛ばす。実用書を読んでるとき、完璧に一言一句逃さないのは本当によくないです。完璧主義者は注意。この本もそうでしたが、実例が長々としていて、馬鹿正直に読んでいるとただ飽きる。
目的意識と関連するのですが、自分が読み取りたい本質だけ読み取ったら「はい、OK。次」という意識が大事です。細かく読みたかったら、またあとで必要なときに読み返せば良いと思います。
偉そうに書きましたが、所詮まだ仮説にすぎないので、も少し実践して、本をしっかり読める人間になりたいです。 そしてゆくゆくは読書術で一発当てようかな。(遠い目)